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制度創設の趣旨・背景 |
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1) |
国土交通省の調査によると、平成25年10月時点の我が国の空き家総数は約820万戸にのぼっています。中でも周辺に悪影響を及ぼし得る空き家が毎年約6万4千戸も増加しており、今後も人口減少等により、ますます空き家の数が増えていくことが懸念されています。 |
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2) |
このような現状を踏まえ、平成27年5月26日に「空家等対策の推進に関する特別措置法」が施行され、地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしている空き家の除却等を促すための枠組みが整えられ、市町村による特定空家等に対する指導・助言・勧告が実施されてきています。 |
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3) |
今回の改正で創設された制度は、適切な管理が行われていない空き家の発生を税制上の観点から抑制するために導入されたものです。
具体的には、相続により生じた空き家で昭和56年5月31日以前に旧耐震基準により建築された居住用家屋に関し、相続人がその空き家について必要な耐震改修、又は除却を行った上で、家屋又は土地を譲渡した場合には、特に税制上の優遇措置を認めようとするものです。
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2. |
制度の概要 |
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相続開始の時から、その相続の開始のあった日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までに、それまで被相続人が居住の用に供されていた家屋及びその敷地を相続した相続人が、その相続した家屋とその敷地、又は相続した家屋を除去した後の敷地の用に供されていた土地等を譲渡した場合には、一定の要件の下、その譲渡に係る譲渡所得の金額について居住用財産の譲渡所得の特別控除(3,000万円)を適用することができることになりました。
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3. |
制度の適用範囲 |
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1) |
譲渡の範囲
次の【1】あるいは【2】の譲渡に該当するものが対象になります。
【1】相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋(次のイ)及び
ロ)の要件を満たすものに限ります)及びその敷地の譲渡であること。
イ)その相続の時からその譲渡の時まで事業の用、貸付の用、又は居住の用に供され
ていたことがないこと。(=空き家であったこと)
ロ)その譲渡の時において、一定の耐震基準に適合するものであること。
(=譲渡の時までに一定の耐震リフォームを施していること)
【2】その被相続人居住用家屋(次のイ)の要件を満たすものに限ります)の除却をした
後におけるその敷地の用に供されていた土地等(次のロ)の要件を満たすものに
限ります)の譲渡であること。
イ)その相続の時からその除却の時まで事業の用、貸付の用、又は居住の用に供され
ていたことがないこと(=空き家であったこと)
ロ)その相続の時からその譲渡の時まで事業の用、貸付の用、又は居住の用に供され
ていたことがないこと(=空き地であったこと)
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2) |
被相続人居住用家屋の範囲
次の全ての要件に該当する家屋が対象となります。
【1】相続した被相続人居住用家屋は、昭和56年5月31日以前に建築された家屋である
こと(=旧耐震基準建築物に該当)
【2】区分所有建築物(マンション等)でないこと。
【3】その相続開始の直前において、その被相続人以外に居住していた者がいない家屋で
あること(=同居人がいる場合は同居人によるその後の対処を予定)
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3) |
譲渡期間
相続の時からその相続の開始のあった日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までの間に譲渡したものであること。
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4) |
譲渡対価限度額
その譲渡の対価の額が1億円以下であること。 つまり、被相続人居住用家屋とその敷地の譲渡対価の額の合計額が1億円を超える場合には、この特例の適用はできません。
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5) |
申告要件
そこの特例は確定申告書に、市町村長のその被相続人居住用家屋、及びその敷地の用に供されていた土地等が、上記の要件(1)譲渡等の範囲の【1】及び【2】の要件)を満たすことを確認した旨を証する書類その他の書類の添付がある場合に適用されます。
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6) |
適用期間
この特例は、平成28年4月1日から平成31年12月31日までの間に行われた譲渡について適用されます。
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4.
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他の特例規定との関係 |
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1)居住用財産の譲渡所得の特別控除(3,000万円)制度との比較
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項 目 | 居住用3,000万円控除 |
空き家3,000万円控除 |
譲渡対象 |
自己の居住用家屋及びその敷地
災害により滅失した 自己の居住用家屋の敷地
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被相続人居住用家屋、 及びその敷地 |
譲渡期間 |
自己の居住用に供されなくなった日以後 3年を経過する年の12月31日まで |
相続開始の日以後3年を 経過する年の12月31日まで |
譲渡期限までの用途 |
【1】家屋は空家又は他の用途も可
【2】家屋を除却したときの敷地は 空地であること
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空家及び家屋除却後の 敷地ともに空家及び空地で あること |
居住用家屋の範囲 |
配偶者又は生計一の親族が 居住する留守宅を含む |
被相続人以外の居住 (同居人)は認めていない
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特別控除額 |
譲渡所得={譲渡収-(取得費+譲渡費用)}から
3,000万円を上限に特別控除
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同 左 |
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2)相続財産に係る譲渡所得の課税の特例との選択適用
【1】相続又は遺贈により財産を取得したことにより相続税を課された個人が、その相続した
財産を、その相続に係る相続税の申告期限の翌日から3年以内に譲渡し時は、その課さ
れた相続税額のうち、譲渡した資産に対応する部分の金額として次により計算した金額
をその資産の取得費に加算して譲渡所得の金額を計算することができます。 
【2】上記の特例は、本特例(空き家3,000万円控除)とは、選択適用となります。
(重複適用はできません) |
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