ドクター渡辺の税金講座

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2019年分住宅取得と確定申告について

Q1.2019年中に住宅を取得した人の住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)のあらましと確定申告について教えて下さい。

2019年中に住宅を取得した人に係る住宅ローン控除制度のあらましは次のとおりです。

1.住宅ローン控除

  • 1)居住者が新築住宅、又は既存住宅を取得し又は一定の増改築等をして(以下「住宅の取得等」といいます)、これらの家屋を2019年中に自己の居住の用に供した場合において
  • 2)その者が、住宅の取得等に係る一定の住宅ローンを有するときは、
  • 3)その居住の用に供した年以後の各年の年末における住宅ローンの残高に、下表のとおり一定の控除率をかけてその年分のローン控除額を計算し控除されます。
  1. (注1)平成26年4月以降消費税が8%へ引き上げの影響を緩和するため、住宅ローンの年末残高の限度額が4,000万円(認定住宅の場合は5,000万円)に拡大されています。
  2. (注2)平成31年3月31日までに住宅の請負契約をして、建物の完成引渡し日が令和元年10月1日以後となった場合では、経過措置により消費税率8%が適用されています。
  3. (注3)令和元年10月1日以後に住宅取得等をして消費税率10%が適用された場合は、上記(注1)の緩和措置が継続された上で、次の「住宅ローン控除の特例」が創設されています。

    a)「住宅ローン控除の特例」の適用要件

    1. ①適用対象は住宅取得の対価に含まれる消費税等の税率が10%であるものに限る
    2. ②2019年10月1日から2020年12月31日までの間に居住開始したこと
    3. ③適用年の11年目から13年目の3年間を控除期間追加

    b)「住宅ローン控除の特例」の控除額

    1. ①一般住宅の場合(次のいずれか少ない額)
    2. イ)住宅借入金等の年末残高(4,000万円を限度)× 1%
    3. ロ)〔[住宅取得等の対価の額−当該対価の額に含まれる消費税等の額〕(4,000万円を限度)× 2%÷3
    1. ②認定住宅の場合(次のいずれか少ない額)
    2. イ)住宅借入金等の年末残高(5,000万円を限度)× 1%
    3. ロ)〔住宅取得等の対価の額−当該対価の額に含まれる消費税等の額〕(5,000万円を限度)× 2%÷3

2.住宅ローン控除不足額の住民税からの控除 (ご参考)

  • 1)住宅ローン控除可能額のうち、所得税から控除し切れなかった残額がある場合は、翌年分の住民税からその残額相当額が減額されます。
  • 2)上記 1)に係る控除限度額
    • ①平成26年4月以降、消費税率が8%に引き上げ(その後10%に引き上げ含む)適用後の住宅取得等(=「特定取得」といいます)の場合の控除限度額
      =所得税の課税総所得金額等×7%(最高136,500円)
    • ②上記「特定取得」以外(=個人間売買等で消費税が課税されていない場合等)の場合の控除限度額
      =所得税の課税総所得金額等×5%(最高97,500円)

3.住宅ローン控除の適用要件等

  • (注4)一定の耐震基準適合住宅とは
    1. a.その家屋の取得日前2年以内に耐震基準適合証明のための家屋の調査が終了したもの
    2. b.その家屋の取得日前2年以内に建設住宅性能評価による適合評価が終了したもの
    3. c.その家屋の取得日前2年以内に既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約が締結されたもの
  • (注5)要耐震改修住宅とは
    1. イ)上記Aのイ)〜 ハ)以外の家屋で平成26年4月1日以後に取得した既存住宅のうち、
    2. ロ)その家屋の取得の日までに家屋の一定の耐震改修を行うことについての申請をし、かつ
    3. ハ)その者の居住の用に供する日(取得から6ヶ月以内)までにその申請に係る証明がされたもの

4.他の特例との併用の可否について

  • ①居住用財産の譲渡所得の課税の特例(3,000万円控除など)とは選択適用となります。
  • ②居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失、及び特定居住用財産の譲渡損失の損益通算、 及び繰越控除制度とは併用できます。
  • ③相続時精算課税による住宅取得等資金の贈与の特例により親からの贈与を受けた人、及び直系尊属から住宅取得等資金の非課税特例贈与(Q2参照)をうけた人もローン控除と併用できます。
    ただし、「住宅の取得価額等」から、これら非課税特例贈与額を控除した金額と住宅ローンの年末残高いずれか低い金額が住宅ローン控除額の計算の基礎となりますので、ご留意下さい。

5.控除を受けるための確定申告

給与所得者でも、初年度に次の書類を添えて住所地の所轄税務署で確定申告が必要です。 なお2年目以降は勤務先の年末調整を通じての控除が可能です。

  • (注6)①耐震基準適合の既存住宅の場合は次のいずれかの書類を添付します。
  • イ)「住宅性能評価書写」、ロ)「耐震基準適合証明書写」又は
  • ハ)「住宅瑕疵担保責任保険契約書写」で前述(注4)に係るもの
  • ②要耐震改修住宅である既存住宅の場合は次の書類を添付します。
  • 要耐震改修住宅の耐震改修に係る認定通知書写で前述(注5)に係るもの
 

Q2.2019年に住宅を取得した人で、親等から住宅取得等資金贈与を受けた人の贈与税の特例と申告手続について教えて下さい。

2019年中に親等から住宅取得等資金の贈与を受けた人が適用を受けられる二つの制度のあらましは次のとおりです。

1.直系尊属からの住宅取得等資金贈与の「非課税制度」のあらまし

  • 1)贈与者の範囲;直系尊属(父母、祖父母、養父母等)であること
  • 2)受贈者の範囲;イ)贈与者の直系卑属であること
    • ロ)原則として国内に住所を有する者(贈与税の無制限納税義務者)であること
    • ハ)贈与を受けた年の1月1日現在で20才以上であって、その年の合計所得金額が2,000万円以下であること
  • 3)住宅取得等資金の範囲
    • ①前問の<表1>に定める新築住宅、既存住宅の新築又は取得、又は一定の増改築(「住宅取得等」という)の対価に充てるための金銭で、その全額が住宅取得等、及び住宅取得と同時に又は先行して取得するその敷地の対価に充てられること。
    • (注1)平成24年度税制改正で<表1>の住宅の取得及び増改築に係る床面積は、当非課税制度に限り50u以上240u以下と改正されています。 なお、「住宅ローン控除」及び後述の「相続時精算課税制度の住宅取得資金の贈与の特例」の適用上の床面積は従来どおり50u以上です。
    • ②贈与を受けた年の翌年3月15日までに「住宅取得等」が行われており、同日までに自己の居住の用に供し、又は遅延なく居住の用に供することが確実であること。
  • 4)2019年中の住宅取得資金贈与の非課税特例の非課税限度額
  1. (注1)2019年3月以前に契約を締結した住宅用家屋について、上表②の非課税限度額の適用を受けた人であっても、①に掲げる特別非課税限度額を適用できます。
  2. (注2)省エネ等住宅とは、
    1. イ)断熱等性能等級4以上、もしくは一次エネルギー消費等級4以上相当であること
    2. ロ)耐震等級2以上もしくは免震建築物であること、又は
    3. ハ)高齢者等配慮対策等級3以上であること
    4. に適合する住宅用家屋であることにつき証明がされたものをいいます。
  3. (注3)上表の非課税制度は次の非課税枠とは別枠で(重複して)適用できます。
    1. イ)暦年課税の贈与税の基礎控除110万円
    2. ロ)相続時精算課税における「住宅取得等資金贈与の特例」2,500万円(後述2参照)

2.相続時精算課税制度の住宅取得等資金の贈与の特例のあらまし

住宅取得等資金の贈与については、贈与者が60才未満であっても相続時精算課税の適用を受けることができることとされ、次の特別控除額の適用が受けられます。

1)相続時精算課税の選択の特例

  • ①贈与者の範囲;贈与年の1月1日現在において60歳未満の直系の父母
    • (贈与者が60才以上なら一般の相続時精算課税の年令要件を充足
  • ②受贈者の範囲;イ)贈与者の直系卑属である推定相続人(孫を含みます)であること(後記(注2)参照)
    •  ロ)原則として国内に住所を有する者(贈与税の無制限納税義務者)であること
    •  ハ)贈与を受けた年の1月1日現在で20才以上であること
      (令和4年4月1日以降は18歳以上に改正されています)
  • ③住宅取得等資金の範囲;「住宅取得資金贈与の非課税制度」の場合と同じです。
    但し床面積要件は50u以上です。
  • ④相続時精算課税における贈与税の「住宅取得等資金贈与の特例」における特別控除額2,500万円(一般の特別控除額と同額です)
  • (注2)なお平成27年1月1日以降一般の相続時精算課税を選択して住宅取得資金贈与の特例の適用を受ける場合、つまり贈与者がその年の1月1日現在60才以上であるときは、受贈者の範囲は20才以上の孫まで拡大されています。
    (令和4年4月1日以降   線部分は18歳以上)

3.「贈与税の申告書」添付書類

  • 1)2019年1月1日〜12月31日の間に贈与を受けた住宅取得等資金の全額で2020年3月15日までに住宅用家屋の新築、又は既存住宅の取得をして自己の居住の用に供し、又は遅滞なく居住の用に供することが確実であると見込まれる人のケースで説明します。
    次の<表5>の「特例」欄のA・Bは次のものを示します。
    • A.住宅取得等資金の「非課税制度」
    • B.相続時精算課税における「住宅取得等資金贈与の特例」